季節は巡り、隣のあなたはいつでも美しい

 その後、澪は時折一人で村の跡地に通うようになった。

 俺が殺した人間たちの墓地を作っているらしい。


「ろくでもない村でしたが、だからってほったらかすのも後味が悪いので……偽善なんですけど」

「手伝おうか?」

「いえ、これは一人でやります。だってミズキさん、反省してないじゃないですか」


 そう言って、俺にも花菜にも手伝わせなかった。


「別に反省しなくていいです。同じ事が起きたら、同じようにしてもらってもいいです。ただまあ、私はあなたの妻なので、夫のやらかしの後始末をしているだけです」


 澪はそう言って肩をすくめた。

 その顔には泥も痣もなくて、ただただきれいだったけど、どうしても俺には指先につく泥を落としてやることができなかった。

 村にあった鋤や鍬も俺が全て壊してしまったし、澪はそれらの修理を受け入れなかったから。

 それといつからか一つだけ、丸い人間の頭ほどの石が家の裏に置かれていた。

 花菜がたまに花を乗せていて、澪が村に行っていて不在のときに聞いたら、理由を教えてくれた。


「この石、母様と同じ匂いがするから」

「……そうか」


 ならば、俺は手出しすべきではないのだろう。

 娘と、義母だったものに背を向けた。