ロマンスに、キス




「どうせ食わねーなら俺が食うわ」



そう言って、勝手に机の上のチョコをひとつ取って口に放り込む。ぽり、と小さく噛む音。

……なに、この人。意味わからない。昨日よりさらに無神経で、勝手で、どうしようもない。



「で?お菓子拒否したから、まだ怒ってんの?」



あたしは深く息を吸って、睨みながら言った。



「怒ってるよ。当たり前でしょ。土下座してくれないと、割に合わない」

「お前、ほんと可愛くねーな」



その言葉だけは、どんな暴言よりも、どんな失礼な態度よりも――絶対に触れられたくなかった部分。

可愛くない?あたしが?



「…あんたに何が分かるのっ……!?」



声が震えてるのに、止まらない。



「あんたは、顔がいいだけでチヤホヤされて、人生楽勝でしょーね!遊んでんのか知らないけど、他の女と同列にしないでくれる……!?あたし、初めてだったんだから……!!」



言い終わった瞬間、呼吸が荒くなった。はあ、はあ、と肩が上下する。