ロマンスに、キス




掴みかかって問いただしたい。
どういうつもりなのか。
冗談なら冗談だって、せめて顔を見て言え。


でも、今のあたしは段ボールを抱えたまま。
腕は塞がっていて、身動きが取れない。



「え、柏谷さんと……付き合ってるの?」



泣きそうな声。


一気に、現実に引きずり込まれた気分だった。


――なんで、あたしが。


勝手に決められて、勝手に使われて、勝手に“彼女”にされて。

巻き込まれた、という感覚しかない。



「あ?うん、そう」



即答。


一切の迷いも、躊躇も、温度もない。
さも当然みたいに、軽く返される言葉。



……こいつ、本当に。