負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 卒業式を終えて、今日も藤也は忙しい。

 学校の裏門に軽トラが2台止まってて、藤也のパパさんが使い終わった花を運んでた。


「あ、メイサちゃんだ。ごめんね、藤也借りてて」

「私のじゃないです」

「そう? でもありがたいよ、最近かなり丸くなったし」

「……それは、たぶん私関係ないです」

「君は澪さんより花音ちゃんに似てる。やだやだ、親子だねえ」

「えっ、なんですか、それ?」

「秘密。お、来た」


 お父さんが振り向くと、体育館の裏から藤也が台車を押して出てきた。


「うげ、メイサ、親父と何してるんだよ」

「藤也が家でメイサちゃんののろけ話してるって話」

「したことねえだろ、クソ親父! メイサはさっさと帰って勉強しろ!」

「藤也、よそのお嬢さんに……」

「親父はこいつの成績を知らないから、そんなことが言えるんだ!!」


 私のせいで親子喧嘩が始まってしまった。

 勉強しなきゃいけないのはそのとおりだから、そろそろ帰ろう。


「あの、私帰ります。お邪魔しちゃってごめんなさい。藤也も頑張ってね」

「わかんなかったら早めに聞けよ。87日目だ。遠慮とかすんなよ」

「うん、ありがと」


 そっくりの顔で手を振る二人に頭を下げて、校門に向かう。

 ポケットの中で、くしゃくしゃの紙がかさりと音を立てた。