負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 今日は藤也と海沿いの公園にお花見に来た。

 少し前に、藤也がおじいさんと一緒に手入れしたらしい。


「わ、すごい綺麗!」

「だろー? じいさんと植えたんだ」


 丘一面に菜の花が咲き誇っていた。

 子供たちが走り回って、シャボン玉を飛ばしている子もいて、丘の反対側にはチューリップ畑が広がっている。

 通りには屋台が並んでいて、適当に買ってベンチで食べた。


「駅前にある花壇の花、俺が選ばせてもらったんだ。あとで見に行こう」

「うん。すごいねえ、藤也。もう、ちゃんと働いてる」

「まだまだだよ。じいさんどころか、母親にも、親父にも、全然追いつかない」


 そう言って遠くを見る藤也はすごくかっこいいけど、遠くにいるみたいでちょっと寂しい。

 つい、腕にもたれかかってしまう。


「メイサは、進路どうすんの?」

「私は……」


 言って、いいだろうか。

 少し前の進路面談で、先生には相談した。

 次の学年末試験で、もう少し順位が上がれば推薦も狙えると言われてる。

 藤也は、私の進路になんて言うだろう。


「メイサ?」

「笑わない?」

「は? なんで? 俺、お前が真面目に頑張ったことを、笑ったことなんてないと思うけど」

「そうだよね。あのね、えっと、覚悟が決まったら、言う」

「わかった。待ってる」


 そう頷く藤也に、「好き」だと言いたくなる。

 でも、今日で82日目。

 100日目になったら、言いたい。

 言えると、いいなあ。