負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 祝日だけど、今日も藤也とは会えない。

 2日続けて会わないのは寂しいなーって、思ったり思わなかったり。


「いやいや、甘え過ぎでしょ」


 風呂上がりに呟いてスマホを手に取る。

 動画を見ながらストレッチして、顔のマッサージして。


「……寝るか」


 時計を見ると10時前。

 前に藤也はこれくらいには寝るって言ってたし、今日はきっと連絡ないよね。

 歯を磨いて、親に「おやすみ」って声をかけて、部屋に戻る。

 ベッドに入ってスマホを充電器に乗せて。


「挨拶くらい、しても、いいでしょ」


 短く、「おやすみ」とだけ送る。

 部屋の明かりを消そうとしたら、スマホが震えた。


『悪いな、寝るとこに』


 ビデオ通話だ。

 スマホの向こうの藤也も、同じようにベッドで寝転がってる。


「ううん。どうしてるかなって思ってたから」

『いやー、昨日今日と実家の手伝いしててさ。ほら、卒業式前だからめちゃくちゃ忙しいんだよ』

「あ、そっか。そうなんだね」

『でもさ、76日目だし、メイサの声は聞いておきたいから、連絡くれて嬉しい』


 藤也はニコニコしてこっちを見てる。

 かわいいなあって思うけど、同時に遠くて寂しい。


「明日、藤也は朝の部活ある?」

『あるよ。そっちもあるだろ?』

「うん、ある。また明日ね」

『もう寝る?』

「うん。明日、藤也に会うから早く寝る」

『すっかりかわいいこと言うようになっちゃって』

「そうかな」

『うん。めちゃくちゃかわいい。おやすみ。俺もメイサに早く会いたいから寝る』


 通話を終える。

 今度こそ、部屋の明かりを消した。

 夢にも会いに来てって言えばよかった。