負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 今日の午後は藤也とオンライン勉強会!

 私が午前中は他校との練習試合に行ってたから。


「メイサ、聞いてた?」

「き、聞いてたよ。音読したほうがいいんでしょ?」

「そっちのほうが理解度が上がる。古典は特に。他の科目も問題がピンとこなかったら声に出して確認しろ」

「はあい」

「68日目ともなると素直だな」

「藤也の言うこと聞くと成績あがるからね!」

「お、よくわかってんじゃん」


 藤也はこんなバカな私にも根気強く教えてくれる。

 懐いちゃうのも仕方ない。

 夕方、そろそろ切り上げようかってときに玄関で呼び鈴が鳴った。

 今日は家にだれもいないから、私が出ないといけない。


「藤也、ごめん、誰か来たから切るね。この後お家の手伝いでしょ? 頑張ってね」

「はいはい、また明日」

「うん、また明日」


 通話を終えて玄関に向かう。


「はいはーい」

「よお、三枝」

「……颯、どしたの?」


 そこにいたのは颯だった。


「これ、叔母さんに。うちの母親から」


 紙袋を受け取る。


「うん、渡しておく。あのさ颯は、柊ちゃんにどんなチョコもらったの?」

「ん、これ」


 差し出されたスマホを見たら、サッカーボールの形のチョコレートが並んでいる。

 近所のショッピングセンターでバレンタインフェアで売ってたやつ。


「颯らしいね」

「だろ? ホワイトデー頑張んないと。莉子が和菓子好きだから、どら焼き作るんだ」

「颯が作るの?」

「おう、莉子は何作っても美味いって言ってくれるから、最近料理ブーム来てる」


 颯とは17年幼馴染だけど……彼のこと、全然見てなかったんだな。

 ニコニコする颯に笑顔を作って相槌を打った。