負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 朝、学校の最寄り駅前のコンビニから出たところで藤也に会った。


「おはよ、藤也」

「はよ。似合うじゃん、その手袋」

「ふふん、そうでしょ。かわいいハニーが選んでくれたから。そっちのもいいじゃん」

「そらそうよ。俺もダーリンが選んでくれたからな」


 藤也は自転車から降りて、私と並んだ。

 手はつながないけど、互いに選んだ手袋をしてるから、寒くない。


「メイサ、彼氏とデートで行きたい場所とかねえの?」

「んー、そうだなあ」

「サッカー部の女マネなら観戦とかさ」

「あー……あのね、他の人には言わないで欲しいんだけど」


 首をかしげる藤也に、声を小さくした。


「私ね、見るなら野球のほうが好きなの」

「あ、そうなんだ」

「サッカーは颯がやるって言うから手伝いで入っただけで、そんなに興味ない」

「ふうん。そのわりには真面目にやってるよな。捨てられても続けてるし」

「捨てられ言うなし。まあ、途中で投げ出すのは悪いじゃん。頼ってくれる人もいるし」


 藤也はどうでもよさそうに「ふうん」と相づちを打った。


「なんつーか……強がり、いや……頼るの下手だよな」

「なんでいきなり罵られたんだっけ?」

「今日で55日だし」

「55日、ずっと罵られてる気がする」

「気のせいだろ」


 学校に着いた。

 自転車置き場に向かう藤也を、迷ったけど、待っていることにした。