負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 ……やらかした。

 サッカー部のスポドリはマネージャーが作ってる。

 甘すぎないよう薄めてクエン酸を足すんだけど、入れすぎた!

 味見した他のマネージャーも顔が引きつってる。


「うう、酸っぱい」

「こっちで作り直すよ」

「ごめんよう」


 半分くらいは作り直しに混ぜて薄めてもらえばいいけど、この残りの酸っぱいやつはどうしよう。


「何してんだよ」


 軍手をはめてゴミ袋を担いだ藤也が顔を覗かせた。


「あーん、ハニー、慰めて!」

「お、52日目にして甘えるようになったか?」

 藤也は私の頭を撫でようとして手を止める。

「今手え汚えから撫でてやれねえや」

「それは後でいいんだけど、これ飲める?」


 プラカップにスポドリとストローを入れて差し出した。


「んー、酸っぱいけど、炭酸水で割ればいけるかも」

「あっ、天才! あとで持ってったら飲んでくれる?」

「いいよ。じゃあ、俺行くから」

「ありがと、ハニー。愛してる!」

「へいへい、俺も愛してるよダーリン」


 酸っぱいスポドリを大きめのプラコップに半分くらい入れた。

 ダッシュで自販機でソーダを買って入れたら、悪くない!


「よし、残りは私が責任を持って飲むね」


「うん、よろしく。よかった、無駄にならなくて。さっきの1年にもお礼言っといて」

「ほんと、ごめんね」


 藤也のおかげで、私は凹まずに済んだ。

 ……つい「愛してる」って言っちゃったけど、まあ、ついってことで。