部活が終わって、部室の鍵を閉めたら、後ろから足音が聞こえた。
「帰ろ」
「うん」
藤也は私の隣を黙って歩いている。
鍵を返して昇降口を出る。
校門をくぐったら、手を掴まれた。
「今日で50日じゃん」
「そだね」
「勝てそう?」
「わかんないな……。あのさ、藤也は私の飼い主って言ってたじゃん」
「うん」
即答すんなって思うけど、手を握ったまま言葉を選ぶ。
「藤也はさ、私のこと、なんだと思う?」
「……負け犬先輩」
「そっか。じゃあ私が勝てるようになったら、飼い主おしまい?」
「なに、そんなに俺に飼われてたいの?」
「違うし! そうじゃなくて、藤也に手を引っ張ってもらうの楽なんだよね」
「お前、勝ちに行く気あんの?」
呆れた声で言われた。
「そだよね。ね、藤也?」
目をギュッと閉じてから、笑顔を作る。
「ん?」
「この笑顔、何点?」
「30点」
「低い!」
「もうちょいかわいく甘えてくんない?」
「甘えてほしいの?」
「練習だ、練習。メイサは下手だろ、甘えるの」
「うん。えっと藤也の手、温かいから、もうちょっとつないでて」
「45点」
「微妙」
駅についた。
藤也はカサついた手で、私のほっぺをなぞる。
「藤也の手は温かいね」
「今の顔は60点。また明日」
「うん。また明日」
改札をくぐっても、藤也は見送ってくれている。
……50日経ったあとも、手を繋いでてほしいって言ったら、あいつはなんて答えるんだろう。
「帰ろ」
「うん」
藤也は私の隣を黙って歩いている。
鍵を返して昇降口を出る。
校門をくぐったら、手を掴まれた。
「今日で50日じゃん」
「そだね」
「勝てそう?」
「わかんないな……。あのさ、藤也は私の飼い主って言ってたじゃん」
「うん」
即答すんなって思うけど、手を握ったまま言葉を選ぶ。
「藤也はさ、私のこと、なんだと思う?」
「……負け犬先輩」
「そっか。じゃあ私が勝てるようになったら、飼い主おしまい?」
「なに、そんなに俺に飼われてたいの?」
「違うし! そうじゃなくて、藤也に手を引っ張ってもらうの楽なんだよね」
「お前、勝ちに行く気あんの?」
呆れた声で言われた。
「そだよね。ね、藤也?」
目をギュッと閉じてから、笑顔を作る。
「ん?」
「この笑顔、何点?」
「30点」
「低い!」
「もうちょいかわいく甘えてくんない?」
「甘えてほしいの?」
「練習だ、練習。メイサは下手だろ、甘えるの」
「うん。えっと藤也の手、温かいから、もうちょっとつないでて」
「45点」
「微妙」
駅についた。
藤也はカサついた手で、私のほっぺをなぞる。
「藤也の手は温かいね」
「今の顔は60点。また明日」
「うん。また明日」
改札をくぐっても、藤也は見送ってくれている。
……50日経ったあとも、手を繋いでてほしいって言ったら、あいつはなんて答えるんだろう。



