負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 朝……というか昼前、ベッドから降りたところで思い出した。

 昨日、須藤と歩いてた時に声かけてきたお父さんの車、『須藤造園』って書いてあった。

 あれ、イケメンの店員で有名な花屋さんだ。

 あの、お父さんのことか!

 たしかにめっちゃイケメンだった。須藤の顔を穏やかにして歳取ったら、ああなるんだろうなって思う。

 気になってスマホで須藤造園の場所を調べた。……駅と反対方向じゃん。

 わざわざいつも駅まで送ってくれてたのか。


「……なんなのよ」


 スマホを手に取る。

 めっちゃ迷ってから、須藤の名前をタップした。


『んだよ』

「昨日、元気なさそうだったから、どうしてるかなって」

『どうもしてねえ。19日目にして、やーっと可愛くなってきた?』

「うっさいな。あんたの家、イケメンのいる花屋さんでしょ」

『ダッセェ呼び方』

「お父さんは確かにイケオジだけどさ、須藤も綺麗な顔してるじゃん」

『……そうかよ』

「照れた?」

『ねえよ、ばかメイサ』


 スマホ越しの声がちょっと優しくて、思わず緩みそうになった口元を手で隠した。