詩音と海と温かいもの

「なんなのさ、その距離感は」


 次の土曜もいないって寧々子に話したら、そう言われた。

 寧々子はニヤッと笑って私を見つめていた。


「え、なんだろう?」

「よっぽど付き合いの長い彼女でも、一人暮らししてる部屋で留守番ってなかなかないと思うけど」

「そうかなあ」

「そうだよ。それだけ詩音のこと信頼してるんでしょ」


 私は寧々子の顔をまじまじと見た。

 冗談混じりだけど、それだけじゃなさそう。

 匠海さんは、それだけ私のことを信用してくれてるのかな。


「そうかな」

「そう、思えない?」

「うーん。わかんないや。私なんて、匠海さんの妹の友達でしかないから」

「そう思ってるの、詩音だけだと思う」


 寧々子は苦笑して手元のスマホに戻った。

 私は英語以外の宿題をやることにした。