「そもそもの話だけど、高野は孤独を紛らわすために気軽に遊べる友達が欲しくてアプリを始めたんだろ?」
「そう、だけど」
「だったらお前のその孤独、俺が取っ払ってやる」
「え?」
「だからあの男より俺のこと選んだ方がいいぜ?」
「そ、その話題はもうナシって言ったでしょ」
ふっ、と笑いながらそう言った白石の元にタイミングよくタクシーがやって来た。
「白石、先にこのタクシーに乗って帰っていいよ。私、ちょっと考え事したいから歩いて帰る」
「はぁ?」
今の白石はなんだか危険だ。一緒にいちゃいけない気がする。
私は白石だけを車内に乗せて、後部座席のドアを閉めようとした。
そのとき、突然グッと腕を引かれて、私は後ろから倒れるようにタクシーに乗車してしまった。
それと同時に白石の体に思いきりぶつかる。
「いったぁ……。ちょっと白石!何考えてんの!」
「高野こそ何考えてんだ。今何時だと思ってるんだよ、俺と飯食ったあとにお前になんかあったら胸糞悪いだろうが。ちゃんと家に帰れ」
「し、心配しすぎだってば!」
「心配するだろ。仮にも俺の彼女にならねぇかって聞いた女だぞ」
「……!?」
「言っとくけど、わざと俺のこと考えないようにしたって無駄だからな?これからも猛アタックするつもりだからよろしく」
体勢を崩した私の両腕を座席のシートに押さえつけて、白石は私との距離を極限まで詰めてそう言った。
「なっ!?だから私は……!」
「すみません、運転手さん。車出しちゃってください」
そしてそのまま私にシートベルトを装着させて、タクシーはこの場を移動し始めた。



