白石は滅多に酔わないはずだけれど、もしかしたら多忙のあまりアルコールが回ってしまっているとか?
それとも親に結婚を急かされているとか?
あぁ、もしかしたら実は世間体を気にし始めているとか?
ありとあらゆる疑いをかけて白石のほうを睨み見る。
けれど当の本人は特段思い詰めた様子もなく、あっけらかんとしたまま枝豆をパクパクと食べている。
「と、とにかく私は、恋人を作る予定もなければ、今後もそういった兆しはないから!」
「人生何があるか分かんないだろ?」
「分かるの!いい!?この話はもう終わり!そうじゃなくてもこれからすっごく忙しくなるんだから、あんまり私を揺さぶるようなこと言わないでよ」
「へぇ、意外だな。高野ってもっとこういうことに関してドライなのかと思ってたけど」
「……」
「ま、じゃあこれから高野のことめちゃくちゃ揺さぶってやろ」
「ちょっと!いい加減にして白石!」
まるでいたずらっ子のように微笑む白石にムッとして、私は彼の分の枝豆を鷲掴みにして盗んだ。
北ヶ瀬さんとの関係が変わってしまうことが嫌なのと同じくらい、私は今の白石との仲も変わっていきたくない。
今までどおり、ずっと同じままがいい。
そう思うことは、悪いことなのだろうか。
そう願ってしまうことは、ものすごく子供じみているだろうか。



