「へぇ、友達……ねぇ」
「この関係、白石も変だって思う?」
「別に変だとは思わねぇな。でも面倒なことしてんだなぁ、とは思う」
「それがね?意外と友達って結構いいものなんだよ?気楽だし、楽しいし!」
「でもそれって、たとえばその男に本命の女ができたら友達関係って終わりじゃね?」
「……!」
「友達とはいえマッチングアプリで知り合った女と友達関係続けられんのは嫌だろ、恋人なら特に」
お箸で摘んでいた名物の唐揚げがコロンと床に落ちていった。
そして私は本日二回目の動きが停止してしまう。
北ヶ瀬さんに恋人ができたら、私達の関係は終わる?
い、いやいやだけど北ヶ瀬さんは恋人は求めていないと言っていたはず。
「(あれ?でも確か最初に会った時、希望を捨てたわけではない……と言っていたような?)」
白石の一言が頭の中でグルグルとし始める。
北ヶ瀬さんとの関係が、いつか終わってしまう?
彼に、「彼女」という存在ができてしまったら?
「(そんなの……)」
「──高野さ、もう俺にしとけば?」
「……はい?何を?」
「俺を彼氏にすればいいだろって話」
「な、何言ってんの!?」
白石が突然、突拍子もないことを言った。
私達の間で一番言ってはいけないようなことを、今、ビールジョッキ片手に平気で言ってしまった。



