顔を上げると、そこにはやっぱり純恋がいた。


「純恋…どうしたの?」

「いや、今日一緒にお弁当食べないかな……って思って」


少し気まずそうに頬を掻く純恋。

きっと、今まで一緒に食べていたときは純恋から誘っていたから、誘ってもいいのか迷ったんだろう。

そして、悩むことなく私は返事をする。


「もちろんだよ」


私がそう言うと、純恋の表情がぱっと明るくなった。

「ほんとっ?じゃあ、中庭行こう!私達いつもそこで食べてるんだ」


純恋は笑顔でそう言った。

''私達’’という言葉に少し違和感を覚えたけれど、私は嬉しくてそんな事は気にしなかった。

純恋に連れられて、中庭に到着する。

そして、私は中庭に入った瞬間思わず足を止めた。


「えっ?」


声がこぼれ落ちる。

さっき引っかかった''私達’’という単語の意味を、今更理解した。

私達って、この子達のこと……?

心のなかで戸惑いながら、中庭の木下のベンチで談笑しながらお弁当を食べている、四人のメンバーに目をやった。

そこには、クラスでも一番明るい女子のグループの子たちが揃っていたのだ。