それからというもの、わたしは部活の個人練の度に、「なぜできないか。どうしたらできるようになるか」を考えるようになった。
連符以外にも出来ないところはたくさんある。
例えばここ。ゆったりとした美しいクラリネットのメロディーの場面。
なかなか雰囲気が出ないんだよね。無理やり音出してるって感じ。
……そうだ! 音と音の移り変わりが綺麗に出来ていないんだ。
言葉で表すなら、音と音がぷつって切れちゃってる感じ。そこをうまく吹けるように、その部分だけ練習してみよう!
何度か音と音が変わる場所だけを練習した。
クラリネットは音によって指使いが変わるから、指の動きの練習。
また、音によって適切な息の入れ方も変わる。その練習でもある。
やってみたら、どうだろう。少しだけ、マシになった気がする。
そうか! 琴宮先生が言ってたのはこういうことかも!
これの積み重ねが、大事ってことだね!
以前苦労していた連符の練習もした。
連符もゆっくり吹いてみれば、音と音の移り変わり。
わたしはさっきの練習を連符にも取り入れてみることにした。
そうすると、連符もさっきよりは速く、インテンポに近く……つまり指定されたテンポに近いテンポで吹けるようになった。
わたしは少しずつ、オーディションに向けて歩き出せているような気がした。
「最近、ちょっとうまくなったんじゃない?」
5月の終わりの部活後、佐紀にそう言われ、わたしは嬉しくて飛び上がりそうになった。
「ほんと!?」
「うん。音の伸びもよくなったし、連符も少しずつ速く吹けるようになってる。よくわかるよ」
オーディションまであと1週間。
元々上手い佐紀は置いておくにしても、仕上がってきているのは、他の1年生も同じ。
それに、1年生内のバチバチ具合がすごい。
実は今日、クラリネットの先輩に褒められたんだけど、そしたら他の1年生にすごい目でにらまれた。
あと1週間、まだオーディションの日が来て欲しくないような、このバチバチが続くくらいだったら早く来て欲しいような、複雑な気持ちになる。
でもこんな風に佐紀に褒めてもらえるのは、間違いなく琴宮先生のおかげ。
「これが例の、琴宮先生のアドバイスのおかげってやつ? それにしてもびっくりだな、琴宮先生がバイオリン弾くなんて」
「そうなの! オーディションに合格したら、琴宮先生に報告するんだ!」
「琴宮先生のバイオリン、ちょっと聞いてみたいかも……」
「すっごく上手なんだから! でもわたしと先生だけの秘密だからなあ~」
「わたしに喋っちゃってるじゃん」
佐紀は琴宮先生に興味を持ったかと思えば、呆れたように言った。
連符以外にも出来ないところはたくさんある。
例えばここ。ゆったりとした美しいクラリネットのメロディーの場面。
なかなか雰囲気が出ないんだよね。無理やり音出してるって感じ。
……そうだ! 音と音の移り変わりが綺麗に出来ていないんだ。
言葉で表すなら、音と音がぷつって切れちゃってる感じ。そこをうまく吹けるように、その部分だけ練習してみよう!
何度か音と音が変わる場所だけを練習した。
クラリネットは音によって指使いが変わるから、指の動きの練習。
また、音によって適切な息の入れ方も変わる。その練習でもある。
やってみたら、どうだろう。少しだけ、マシになった気がする。
そうか! 琴宮先生が言ってたのはこういうことかも!
これの積み重ねが、大事ってことだね!
以前苦労していた連符の練習もした。
連符もゆっくり吹いてみれば、音と音の移り変わり。
わたしはさっきの練習を連符にも取り入れてみることにした。
そうすると、連符もさっきよりは速く、インテンポに近く……つまり指定されたテンポに近いテンポで吹けるようになった。
わたしは少しずつ、オーディションに向けて歩き出せているような気がした。
「最近、ちょっとうまくなったんじゃない?」
5月の終わりの部活後、佐紀にそう言われ、わたしは嬉しくて飛び上がりそうになった。
「ほんと!?」
「うん。音の伸びもよくなったし、連符も少しずつ速く吹けるようになってる。よくわかるよ」
オーディションまであと1週間。
元々上手い佐紀は置いておくにしても、仕上がってきているのは、他の1年生も同じ。
それに、1年生内のバチバチ具合がすごい。
実は今日、クラリネットの先輩に褒められたんだけど、そしたら他の1年生にすごい目でにらまれた。
あと1週間、まだオーディションの日が来て欲しくないような、このバチバチが続くくらいだったら早く来て欲しいような、複雑な気持ちになる。
でもこんな風に佐紀に褒めてもらえるのは、間違いなく琴宮先生のおかげ。
「これが例の、琴宮先生のアドバイスのおかげってやつ? それにしてもびっくりだな、琴宮先生がバイオリン弾くなんて」
「そうなの! オーディションに合格したら、琴宮先生に報告するんだ!」
「琴宮先生のバイオリン、ちょっと聞いてみたいかも……」
「すっごく上手なんだから! でもわたしと先生だけの秘密だからなあ~」
「わたしに喋っちゃってるじゃん」
佐紀は琴宮先生に興味を持ったかと思えば、呆れたように言った。


