片思いのアリス

 そしてやってきた昼休み。

 わたしはいつものように琴宮先生の席をのぞく。
 琴宮先生……いた!

 「琴宮先生、こんにちは!」
 「お、今日も来ると思ってたよ」

 『今日も来ると思ってた』!?
 その言葉だけでテンションが上がってしまう。

 「琴宮先生、勉強の質問じゃないんですけど……」
 「どうしたの?」
 「来週の文化祭、琴宮先生は来ますか?」

 返答を待つ間、どきどきが止まらない。
 
 お願い、来るって言って……!

 「うん、行くよ。色んなクラスを見たいな。もちろん吹奏楽部のコンサートもね」
 「し、知ってくれてたんですか!」
 「だって、廊下にポスター貼ってあったし」

 わたしは嬉しすぎて飛び上がりそう。

 「練習、頑張ります!」
 「ムリしすぎないようにね。演奏、楽しんで」

 琴宮先生は微笑んだ。
 その目が無くなる微笑み、良すぎます!

 そして、「演奏を楽しむ」、か。
 たしかにそれ、大事かも。
 今回の目標にしようかな。

 「じゃあ、コンサートでお待ちしております!」

 わたしはテンションが上がって、変なことを言って敬礼した。

 「あはは、必ず行くよ」

 琴宮先生も笑ってくれた。しかも『必ず行く』って。

 よーし、夏休みはくやしいこともあったけど、文化祭は楽しむぞ!