片思いのアリス

 2学期が始まった。

 朝、わたしと佐紀は一緒に登校しながら、文化祭について話していた。

 「それにしてもスパルタ日程過ぎるよね。コンクールが終わったと思ったら、すぐに1週間後の文化祭のコンサートの練習だなんて。しかも10月には公民館でアンサンブルコンサートでしょ?」
 「そんなもんだよ」

 そう、吹奏楽部は9月上旬の文化祭でコンサートをやるんだ。
 琴宮先生も聞きに来てくれるかな。練習は大変だけど、楽しみ。

 アンサンブルコンサートは、好きなメンバーで小編成でグループを組んで、好きな曲を演奏するの。
 普段の合奏よりも自分の音がよく聞こえちゃうから、難易度は高い。

 ――実は、わたしそこでやりたいことがあるんだ……。

 ……まあ、それはそれとして。

 「琴宮先生、文化祭来てくれるかな! 聞かなきゃ!」
 「はいはい」

 今日は水曜日だから、早速昼休みに聞いちゃおっと。

 またわたしの妄想センサーが発動する。

 琴宮先生が文化祭に来て、一緒に出店を周れたりしたらどうしよう!?
  一緒にチョコバナナ食べたり、アトラクションに参加したり!?

 わたしは顔が熱くなった。

 「おーい、また妄想してんの?」
 「はっ!」
 
 佐紀はすっかり普段通り。
 コンクールから立ち直れて、良かった。

 「文化祭に来るか聞いてもないのに、顔真っ赤にしてたよ」
 「えへへ……」

 わたしは頭をぽりぽりかいた。