***
次に目覚めた時には、薄暗い場所にいた。
冷たい床の感触と、鼻を突くような鉄と埃の混ざった匂い。
体が重く、頭がぼんやりと痛む。
「……目が覚めた?」
そんな声が降りて来て、ビックっと体が反応する。
(ここはどこ? どうして私は……)
徐々に思考がクリアになってきて、いろいろな記憶も蘇ってくる。
女の子に呼ばれて……そういえば、腕を掴まれて……
いつ、どうやってこの部屋に運ばれたのかまるで思い出せない。
体も言うことを聞かず、力が入らない。
きっと、薬か何かで眠らされていたのだろう。
なんとか体を起こそうとするが、両手は背後で縛られ、足も動かない。
布かロープか……とにかく、がっちりと固定されている。
視線を上げると、目の前に立っていたのは──影牙学園の制服を着た、整った顔立ちの少年。
だが、目は赤く光っていた。
(……だれ? なんで影牙学園の制服……?)
「手洗い真似して悪かったね。白城さん」
彼がそう言いながら一歩、また一歩と近づいてくる。
漆黒の中に血のような赤いメッシュが揺れ、どこか現実離れした存在感を放っていた。
──その姿を……どこかで見たことがある気がした。
(正確には、誰かと既視感があるような……)
