天下無双なヴァンパイアは番を探し続ける

放課後の訪れを心のどこかで待ち構えていた。


***


休み時間、教室のドアが密かに開く。


「沙音さん、ちょっとこっち来てくれない?」


振り返ると、一人の女の子が私に声をかけていた。

親しげな笑顔に、沙音は警戒心を忘れてしまい、ついその声に従って廊下へ出た。


「助けてほしいことがあるの」


困っているのだろう、眉を下げて言う様子に良心が痛んで、気づけば「うん、私でよければ」と答えていた。

そのまま女の子について行くと、だんだん人気の少ない奥まった場所に来ていた。


どこまで行くのだろう……?

そう疑問を抱いた時にはもう遅かった。


その先に冷たい影が潜んでいた。


次の瞬間、背後から鋭い手が沙音の腕を掴み、暗い影の中へと引きずり込まれた。


「いやっ……!」


沙音の叫びは静寂の中に飲み込まれ、誰にも届くことはなかった。


腕を掴まれたまま、彼女の体は力強く引き寄せられた。

抵抗しようにも、相手の力は人間のそれとは思えないほど異様に重く、硬かった。


「離して……!」