ファティマはデクランと一緒に
船の見張りにつく。
海は穏やかに見えた……その瞬間だった。
ゴォォン——!
大きな波が船体を打ちつけ、
船が傾く。
「きゃっ!!」
咄嗟にデクランが手すりを掴んだ時には、
ファティマの身体がふわっと浮いて——
ドンッ!
そのままデクランの胸に飛び込んだ。
デクラン「っ……!!」
(予想外の柔らかさと温度に不覚にもドキッとする)
ファティマ「ご、ごめんなさいっ……!」
慌てて離れようとするが、
デクランが思わず腕を回して支えてしまっていた。
「大丈夫?怪我は?」
「だ、だ、大丈夫……ちょっとびっくりしちゃって。」
しばらくそのまま、波の余韻だけが響く。
離れたくない、とお互い一瞬思ってしまう。
でもそれは口に出さず、
そっとデクランが距離を取った。
二人の視線が重なる。
近い。
さっきの抱擁の熱が残っていて胸が苦しい。
ファティマは頬を赤くして言った。
「……あなたがいてくれて、安心したわ。やっぱり私は一人では無理そうね。」
デクランは顔を背けた。
「……僕の方こそ。君が隣にいる方が……ずっと心強いよ。」
その後も二人は、
さっきより近い距離で静かに立ち続けた。
波の音だけが、やさしく二人を包んでいた。
船の見張りにつく。
海は穏やかに見えた……その瞬間だった。
ゴォォン——!
大きな波が船体を打ちつけ、
船が傾く。
「きゃっ!!」
咄嗟にデクランが手すりを掴んだ時には、
ファティマの身体がふわっと浮いて——
ドンッ!
そのままデクランの胸に飛び込んだ。
デクラン「っ……!!」
(予想外の柔らかさと温度に不覚にもドキッとする)
ファティマ「ご、ごめんなさいっ……!」
慌てて離れようとするが、
デクランが思わず腕を回して支えてしまっていた。
「大丈夫?怪我は?」
「だ、だ、大丈夫……ちょっとびっくりしちゃって。」
しばらくそのまま、波の余韻だけが響く。
離れたくない、とお互い一瞬思ってしまう。
でもそれは口に出さず、
そっとデクランが距離を取った。
二人の視線が重なる。
近い。
さっきの抱擁の熱が残っていて胸が苦しい。
ファティマは頬を赤くして言った。
「……あなたがいてくれて、安心したわ。やっぱり私は一人では無理そうね。」
デクランは顔を背けた。
「……僕の方こそ。君が隣にいる方が……ずっと心強いよ。」
その後も二人は、
さっきより近い距離で静かに立ち続けた。
波の音だけが、やさしく二人を包んでいた。



