危機を脱した一行は、
無事に港町ゲルダに到着。
航海士ジョサイアとも合流を果たした。
休むまもなく埠頭で
出航の準備に取りかかる。
すると後ろから突然声をかけられる。
「やぁ、お困りでしたねぇ、例の“商人一家”さん?」
驚く一行の前に現れたのは
ひらりと帽子を取って頭を下げる、行商人の姿。
先ほど危機を救ってくれた謎の男だ。
「なにはともあれ……間に合ってよかった」
穏やかな声とは裏腹に、その額には汗がにじむ。
相当急いだのだろう。
彼は笑いながら素顔を見せ、静かに言う。
「改めまして。
ヴァリニア王の密命を帯び、この地に参りました――
トリスタン・ハーウッドと申します。あなたを心より敬愛する者の一人として――お力になれることを誇りに思います。」
「ハーウッド卿といえば、エドリック国王の右腕とも称されるお方ではありませんか。まさか、あなただったとは。」
予想だにしなかった人物との再会に
握手した手の力が自然と強くなる。
「お久しゅうございます、ファティマ皇女殿下。エドリック様は大切なご友人を救うために、私を遣わした。
さあ、あと一息ですよ。」
ファティマは胸が熱くなる。
(……こんなにも多くの人が、私のために……)
「あなたはヴァリニア国王が遣わしてくださったのか。本当に助かりました。なんと御礼をすれば良いのか……」
デクランもファティマに続いて
トリスタンと握手する。
無事に港町ゲルダに到着。
航海士ジョサイアとも合流を果たした。
休むまもなく埠頭で
出航の準備に取りかかる。
すると後ろから突然声をかけられる。
「やぁ、お困りでしたねぇ、例の“商人一家”さん?」
驚く一行の前に現れたのは
ひらりと帽子を取って頭を下げる、行商人の姿。
先ほど危機を救ってくれた謎の男だ。
「なにはともあれ……間に合ってよかった」
穏やかな声とは裏腹に、その額には汗がにじむ。
相当急いだのだろう。
彼は笑いながら素顔を見せ、静かに言う。
「改めまして。
ヴァリニア王の密命を帯び、この地に参りました――
トリスタン・ハーウッドと申します。あなたを心より敬愛する者の一人として――お力になれることを誇りに思います。」
「ハーウッド卿といえば、エドリック国王の右腕とも称されるお方ではありませんか。まさか、あなただったとは。」
予想だにしなかった人物との再会に
握手した手の力が自然と強くなる。
「お久しゅうございます、ファティマ皇女殿下。エドリック様は大切なご友人を救うために、私を遣わした。
さあ、あと一息ですよ。」
ファティマは胸が熱くなる。
(……こんなにも多くの人が、私のために……)
「あなたはヴァリニア国王が遣わしてくださったのか。本当に助かりました。なんと御礼をすれば良いのか……」
デクランもファティマに続いて
トリスタンと握手する。



