裏庭を抜けると、
王宮を囲む高い石壁の影に出る。
遠くでクレオールの怒声が響き渡る。
「北門を閉じよ!! 影の一匹たりとも逃がすな!!」
「くっ……早い……!」
レオナードが歯噛みする。
「別の道は!?」
デクランが叫ぶ。
「……こちらに!」
マリナが迷うことなく先導した。
庭の奥、古い倉庫の裏にひっそりとある小さな門。
普段は使われない、
知る人ぞ知る勝手口だ。
正規の通用門は動線が悪く、
いつの時代かの手先が器用な庭師が
ショートカット用の門を
勝手に作ってしまったらしい。
以来、
一部の使用人たちの間だけで
こっそりと使われ続けてきたのだとか。
「お前……よくこんなところ知ってたな。」
「確かにちょっとラッキーだった。けどね、レオナード。この城に仕える使用人たちの中に、ファティマ様のファンは多いのよ。皇女様のためならと、みんな力を貸してくれたわ。」
「もう時間がない。我々が囮になる。急げ!!」
ビンセントの私兵たちが一斉に散って、
逃走をサポートしてくれた。
生まれた時から多くの人に傅かれて
育ったファティマ。
彼女の人生において、
こんなに走ったことはなかった。
ただただ息を切らしながら駆け抜ける。
自分のために必死になって道を作ってくれた
みんなの努力を無駄にしないために。
門の向こうは王都の外縁へ続く裏路地だ。
デクランがファティマを抱き寄せるようにして
遂に外へ飛び出した──!
王宮を囲む高い石壁の影に出る。
遠くでクレオールの怒声が響き渡る。
「北門を閉じよ!! 影の一匹たりとも逃がすな!!」
「くっ……早い……!」
レオナードが歯噛みする。
「別の道は!?」
デクランが叫ぶ。
「……こちらに!」
マリナが迷うことなく先導した。
庭の奥、古い倉庫の裏にひっそりとある小さな門。
普段は使われない、
知る人ぞ知る勝手口だ。
正規の通用門は動線が悪く、
いつの時代かの手先が器用な庭師が
ショートカット用の門を
勝手に作ってしまったらしい。
以来、
一部の使用人たちの間だけで
こっそりと使われ続けてきたのだとか。
「お前……よくこんなところ知ってたな。」
「確かにちょっとラッキーだった。けどね、レオナード。この城に仕える使用人たちの中に、ファティマ様のファンは多いのよ。皇女様のためならと、みんな力を貸してくれたわ。」
「もう時間がない。我々が囮になる。急げ!!」
ビンセントの私兵たちが一斉に散って、
逃走をサポートしてくれた。
生まれた時から多くの人に傅かれて
育ったファティマ。
彼女の人生において、
こんなに走ったことはなかった。
ただただ息を切らしながら駆け抜ける。
自分のために必死になって道を作ってくれた
みんなの努力を無駄にしないために。
門の向こうは王都の外縁へ続く裏路地だ。
デクランがファティマを抱き寄せるようにして
遂に外へ飛び出した──!



