辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

ビンセントは深く息を吸い込み、言った。
「みんな……どうか、姉上を助けるために力を貸してください」

デクランが彼の肩に手を置く。
「もちろんです。
ファティマ様は……僕が必ず連れ戻します」

その言葉に、ビンセントは微かに笑った。
「……姉上があなたを好きになった理由が分かる気がします」

「えっ、それは……」

「否定しないのですね?」

「……うっ」

仲間たちがクスッと笑い、
緊張がほどけた。

しかしその目は皆、静かに燃えていた。