翌朝。
デクランの仲間たちとビンセントが
一堂に会した。
「来月の初め──ヴァリニア王国の国王が、国賓としてドラゴニアを訪れます」
ビンセントの声は低く、
だがはっきりとしていた。
「ヴァリニアはドラゴニアと肩を並べる大国。
クレオールもさすがに、粗相をすれば国際問題になりますし、ヴァリニア国王に集中するでしょう。ですから、その期間は姉上──ファティマの監視も多少は緩むはずです」
カーティスが顎に手を当てる。
「なるほど。クレオールは外面を取り繕う必要がある……。ではファティマ殿と接触できる可能性が出るわけだ」
ビンセントはうなずいた。
「姉上は“国賓のための慈善視察”と称して、王都内の施設を巡らされる予定です。
その行程は兄の執務官に確認済みで……ここです」
ビンセントが指で示した場所は、
王都の中心にある聖歌院。
「聖歌院は孤児院ですが……古くから王宮と地下通路で繋がっているんです。」
デクランの目が鋭くなる。
「そこが、救出のポイントになり得る……?」
「はい。兄は“古い通路などただの戯言だろう”と高をくくっていますが、
僕は幼い頃に姉上と一緒に探検して、偶然その扉を見つけました」
デクランは思わず笑みを漏らす。
「……ファティマらしいですね。好奇心が強くて」
ビンセントは照れくさそうに肩をすくめる。
デクランの仲間たちとビンセントが
一堂に会した。
「来月の初め──ヴァリニア王国の国王が、国賓としてドラゴニアを訪れます」
ビンセントの声は低く、
だがはっきりとしていた。
「ヴァリニアはドラゴニアと肩を並べる大国。
クレオールもさすがに、粗相をすれば国際問題になりますし、ヴァリニア国王に集中するでしょう。ですから、その期間は姉上──ファティマの監視も多少は緩むはずです」
カーティスが顎に手を当てる。
「なるほど。クレオールは外面を取り繕う必要がある……。ではファティマ殿と接触できる可能性が出るわけだ」
ビンセントはうなずいた。
「姉上は“国賓のための慈善視察”と称して、王都内の施設を巡らされる予定です。
その行程は兄の執務官に確認済みで……ここです」
ビンセントが指で示した場所は、
王都の中心にある聖歌院。
「聖歌院は孤児院ですが……古くから王宮と地下通路で繋がっているんです。」
デクランの目が鋭くなる。
「そこが、救出のポイントになり得る……?」
「はい。兄は“古い通路などただの戯言だろう”と高をくくっていますが、
僕は幼い頃に姉上と一緒に探検して、偶然その扉を見つけました」
デクランは思わず笑みを漏らす。
「……ファティマらしいですね。好奇心が強くて」
ビンセントは照れくさそうに肩をすくめる。



