辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

「あなたは…姉上のことをどう思っているんですか?」
ビンセントが静かに問いかけた。
ランプの炎が小さく揺れ、
二人の影を壁に映す。

デクランは、逃げずに答えた。
「……僕も、大切に思っています。
彼女に会うたび……もっと側にいたいと思うようになりました」

ビンセントの目がわずかに丸くなる。
「あなたも……姉上に恋しているのですね?」

「……はい」

その言葉は、
デクランの胸から自然にこぼれた。

ビンセントは長く息をつくと、
小さく笑った。
「なら、よかった」

「え?」

「姉上を愛している人なら、僕は全力で協力できます。
姉上を蔑ろにする男は……刺し殺します。特にあのドノヴァン侯。あいつだけは絶対に許せません。」

「……え?」

「いや、本気ですよ?」

「本気なの!?」
デクランは素で叫んだ。
ビンセントはしれっとしている。

「僕はシスコンですから。姉上の味方は僕の味方。姉上の敵は僕の敵です!」

「な、なるほど……」