ビンセントは外套の内から、
折り畳まれた手紙を取り出した。
「アルドレイン王妃は私の異母姉で、今まで特に関わりがありませんでした。だから最初は不審に思ったのですが……姉上のために動こうとしている青年がいる、という言葉が見過ごせなかった。私も姉を救いたいと思っている人間の1人ですから」
デクランの喉が鳴った。
ビンセントは歩み寄り、
デクランを見据える。
「姉上は、クレオールの“飾り”のように扱われています。
慈愛の皇女の姿を強いられ、王宮では四六時中監視され……兄は、姉上の自由を奪っています」
その声音には、震えるほどの憤怒があった。
「悔しいが、私は……兄に逆らう力を持たない。
でも、姉を見捨てる弟でもいたくない。
だから……あなたを探しに来た」
デクランは拳を握りしめ、短く息を吸った。
「ファティマは先日、国境近くの街にいた。
僕は……彼女を助けたい。でも、僕だけでは近づく術がない」
ビンセントは一歩前に進み、
デクランの瞳をまっすぐに捉えた。
「デクラン殿。あなたの力が必要です。」
デクランは強く頷いた。
「……協力してくれるのか」
ビンセントは、はっきりと答えた。
「姉上を連れ出すためなら、私は何だってする。
あなたと共に、姉上を取り戻す」
その言葉は、
皇子としての立場を投げ捨てる覚悟を滲ませていた。
デクランは手を差し出した。
「……一緒に行こう。ビンセント殿」
ビンセントはためらいなくその手を取り、
握り返した。
「必ず──姉上を救いましょう」
静かに、しかし確かに。
この瞬間、救出同盟は正式に結ばれた。
折り畳まれた手紙を取り出した。
「アルドレイン王妃は私の異母姉で、今まで特に関わりがありませんでした。だから最初は不審に思ったのですが……姉上のために動こうとしている青年がいる、という言葉が見過ごせなかった。私も姉を救いたいと思っている人間の1人ですから」
デクランの喉が鳴った。
ビンセントは歩み寄り、
デクランを見据える。
「姉上は、クレオールの“飾り”のように扱われています。
慈愛の皇女の姿を強いられ、王宮では四六時中監視され……兄は、姉上の自由を奪っています」
その声音には、震えるほどの憤怒があった。
「悔しいが、私は……兄に逆らう力を持たない。
でも、姉を見捨てる弟でもいたくない。
だから……あなたを探しに来た」
デクランは拳を握りしめ、短く息を吸った。
「ファティマは先日、国境近くの街にいた。
僕は……彼女を助けたい。でも、僕だけでは近づく術がない」
ビンセントは一歩前に進み、
デクランの瞳をまっすぐに捉えた。
「デクラン殿。あなたの力が必要です。」
デクランは強く頷いた。
「……協力してくれるのか」
ビンセントは、はっきりと答えた。
「姉上を連れ出すためなら、私は何だってする。
あなたと共に、姉上を取り戻す」
その言葉は、
皇子としての立場を投げ捨てる覚悟を滲ませていた。
デクランは手を差し出した。
「……一緒に行こう。ビンセント殿」
ビンセントはためらいなくその手を取り、
握り返した。
「必ず──姉上を救いましょう」
静かに、しかし確かに。
この瞬間、救出同盟は正式に結ばれた。



