盛大な結婚式が終わり、
各国の王族たちが次々と帰路につく。
ソラリス王国の使節団も船へ戻り、
ラジワも夫とともに乗船する――はずだった。
だが。
「……帰りたくない。」
その言葉に思わず振り返る。
ひとり港に突っ立ったまま動かない男、
それは弟ビンセントだった。
「今日帰ってしまったら、次いつ姉上に会えるか分からないだろう……!もう少しだけ滞在して、姉上の幸せをこの目で見守りたい……!」
必死の形相で訴えるビンセント。
側近たちは頭を抱え、
ドラゴニア側の護衛騎士は冷や汗を流し、
アズールティアの臣下たちは
事態の収拾に右往左往している。
ラジワはため息をつきつつ、
ファティマへ視線を送る。
「お姉様に任せるわ。この駄々っ子、私たちじゃどうにもならないの。」
そう言い残し、
船へと乗り込んでいった。
ファティマは短くため息を吐くと、
弟のもとへ歩み寄り、
優しく語りかける。
「ビンセント。あなたの気持ちは嬉しいわ。でも国に帰らないと――みんな困っているでしょう?」
「帰りたくない。姉上のお幸せの方が僕には重要だ。あのデクランは本当に紳士か?釣った魚に餌はやらないタイプじゃなかった?
僕の姉上に相応しいだけの器量がある男なのか?
不安は尽きないんだよ!」
その迫真さに周囲は完全に閉口。
「……はぁ。」
さすがのファティマも苦笑し、
言葉を探していると――
各国の王族たちが次々と帰路につく。
ソラリス王国の使節団も船へ戻り、
ラジワも夫とともに乗船する――はずだった。
だが。
「……帰りたくない。」
その言葉に思わず振り返る。
ひとり港に突っ立ったまま動かない男、
それは弟ビンセントだった。
「今日帰ってしまったら、次いつ姉上に会えるか分からないだろう……!もう少しだけ滞在して、姉上の幸せをこの目で見守りたい……!」
必死の形相で訴えるビンセント。
側近たちは頭を抱え、
ドラゴニア側の護衛騎士は冷や汗を流し、
アズールティアの臣下たちは
事態の収拾に右往左往している。
ラジワはため息をつきつつ、
ファティマへ視線を送る。
「お姉様に任せるわ。この駄々っ子、私たちじゃどうにもならないの。」
そう言い残し、
船へと乗り込んでいった。
ファティマは短くため息を吐くと、
弟のもとへ歩み寄り、
優しく語りかける。
「ビンセント。あなたの気持ちは嬉しいわ。でも国に帰らないと――みんな困っているでしょう?」
「帰りたくない。姉上のお幸せの方が僕には重要だ。あのデクランは本当に紳士か?釣った魚に餌はやらないタイプじゃなかった?
僕の姉上に相応しいだけの器量がある男なのか?
不安は尽きないんだよ!」
その迫真さに周囲は完全に閉口。
「……はぁ。」
さすがのファティマも苦笑し、
言葉を探していると――



