辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

だがその計画は、
忠誠薄れた密偵の裏切りによって、
すぐにビンセント側に漏れることになる。

暗殺者はあえなく捕縛され、
帝都中に瞬く間に噂が広がった。
「クレオールが、新皇帝ビンセントを殺そうとした」

国民の怒りは頂点を超え、
ついに貴族院が動いた。
クレオールは、
自らが仕掛けた暗殺未遂の罪で拘束される。

もはや味方は誰もいない。
恐れおののくだけの臣下、
沈黙する近衛、
怒りに満ちた国民。

クレオールに引導を渡したのは
他ならぬビンセントだった。
「残念です、兄上。」

処刑台へ引き立てられる前、
クレオールは呟いた。
「……どうして、俺はどこで間違えた……?
どうして……誰も……」

その言葉を最後に、
クレオールの物語は終わった。

クレオールは帝国史上、
最も短命で最も憐れな皇帝として
名を残すことになったのだった。