辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

帝都に届いた文書は簡潔だった。

“ドラゴニア帝国の未来のため、
ビンセント皇子を新皇帝として支持する。”

“ソラリス王国は、クレオールの退位を正式に求める。”

帝国最強の友邦からの通告。
これは、
事実上の“国際的な宣告”だった。

ソラリス王国の声明は、
隠蔽を図るクレオールの努力虚しく、
帝国全土に一斉に広まった。
最大の友好国からの非情な通告。
帝都は一夜にして揺れに揺れた。

クレオールか、ビンセントか。
どちらに着くべきか
状況を固唾をのんで見極めていた貴族たちは
雪崩をうってビンセント支持へ回る。

兵士たちもビンセントを守ろうと立ち上がり、
民衆は歓喜と涙で街を満たした。

孤立したのは——ただ一人。
皇帝クレオールだけ。