辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

クレオールはまたさらに追い詰められ、
ついには国外の友好国を利用して
国外から圧力をかけようとしたが、
それが決定的な失策となる。

彼が目をつけたのは
帝国最大の友好国〈ソラリス王国〉だ。
王太子妃はクレオールの実妹ラジワ。
クレオールからすれば身内も同然だった。

そのソラリス王国の宮廷で、
一人の女性が静かに立ち上がる。
ラジワ王太子妃。
ファティマとクレオールの妹であり、
ビンセントの姉。

前皇帝に寵愛されたファティマ程ではないが、
国民の人気も高く、
かつてファティマと共に帝国の“光”と呼ばれた
聡明な皇女。
彼女は夫であるソラリス王太子と共に、
ドラゴニア帝国の現状を見極めていた。

しかしラジワは簡単に兄の肩を持つことはしない。
信頼できる臣下に帝国の内情を探らせ、
各地でビンセントが支持を集めているという
報告を受け取る。

ラジワは静かに決意する。
「ビンセントなら、沈みゆく帝国を救えるかもしれない。
 ……兄上はもう、国を導く資格がない。」

その意見に王太子も同意した。
そしてソラリス国王も。

そしてソラリス王国は声明を発する。