辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

そんな仲睦まじい二人の姿を
庭師が見つけたが、
微笑ましく見送るだけ。

彼はただ深く頷き、
「……ようやく、ですね」
と呟いた。

ファティマは嬉しさに胸がいっぱいになり、
デクランは照れて頭を掻く。

国民たちは皆、
デクラン王子の長い片思いを知っていたから。
今日はただ、
幸福を祝福するだけだった。

二人は花咲く並木の下を歩いていた。
するとデクランがふと足を止める。

「……歩き疲れてない?大丈夫?」
「ふふ。大丈夫よ。あなたの隣なら、ずっと歩ける気がするの。」

素直すぎる言葉に、
デクランの耳が赤く染まる。
「……そ、そういうの、急に言うと心臓に悪いね。」
「じゃあ、もっと言って慣れてもらわないと?」

ファティマは悪戯っぽく笑い、
少し背伸びして、
彼の耳元にそっと囁いた。
「デクラン……大好きよ。」

デクランの肩がビクリと跳ねる。
ファティマはその反応を見て楽しそうに笑い、
彼の腕に寄り添う。