辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

ファティマとマリナが
ひそひそ声で恋バナに夢中になっていると——

「——おい、何をそんなに楽しそうにしてるんだ?」

不意に背後から声がして、
二人はビクッと振り返った。

そこには、
カーティスが日差しの中に立っていた。
子どもたちに振り回されたのか、
髪は少し乱れ、額には汗。
それでも涼しい顔で、
二人を見下ろしている。

「か、カーティスっ!? い、いつからそこに……!」

「え、さっきから。なんだ? 二人で俺の噂話か?」

「ち、違うわっ! なにも話してなんか!!」

(……完全に慌ててる反応……可愛い)
ファティマは思わず
心の中でニヤニヤする。

一方のカーティスは
笑いもせず首を傾げたが、
すぐに話題を変えた。

「カーティス、王女様のお相手をしていたんじゃ?」

「あぁ。それなら——」

カーティスは指で庭を示すと、
そこにはローワンに追いかけ回される
ジョサイアとレオナードの姿。

デクランはシャーロットと
何やら庭の隅で遊んでいる。

「王女様はデクランに任せてきた。
 あいつ、四人の姉に囲まれて育ったからな。
 女の子と遊ぶのは得意なんだよ。」

「確かに。そりゃあ……慣れてますよね……」

カーティスは、ふっとマリナを見つめる。
「だからまあ、俺よりは女の扱いは上手くやれるさ。
 ……お前の相手も、な。」