ヴァリニア王国の離宮は、
白い大理石と深い森に囲まれた静謐な場所だった。
エドリック国王夫妻は
「しばらくはゆっくりしていくといい。
追われる旅はもう終わりだ。ここでは誰にも邪魔させない」
と、心から歓迎してくれた。
一行は数日間、
久しぶりに心身を休めることができた。
そしてある昼下がり。
離宮の庭に、
国王夫妻の子どもたちが遊びにやって来た。
シャーロット王女とローワン王子だ。
「ねぇねぇ!デクラン兄ちゃん、剣ごっこしよう!」
「カーティスさん、肩車してー!」
子どもたちは一瞬で“旅の英雄たち”に懐いた。
デクランは木の枝の剣を渡され、
ローワンと大はしゃぎの模擬戦。
普段は真面目なデクランだが、
本気で笑いながら遊んでいる。
カーティスは
お姫様の相手で大忙し。
子どもを抱えながら庭を走り回り、
汗だくである。
ジョサイアとレオナードは
ベンチでニコニコとと見守っていたが
結局子どもたちに引っ張り出され、
鬼ごっこに参加させられるハメに。
庭は笑い声で満ちていた。
ファティマはその光景を
少し離れて眺めていた。
デクランが必死に剣ごっこに付き合い、
カーティスがシャーロットにしがみつかれて
転びそうになっている。
──こんな、優しくて賑やかな未来。
(……いいなぁ)
(もしも私にも、
こんな家族があったら——)
胸の奥が、ほんの少し切なくなる。
すると横にいたマリナが、
ふっと意味深な笑みを浮かべた。
白い大理石と深い森に囲まれた静謐な場所だった。
エドリック国王夫妻は
「しばらくはゆっくりしていくといい。
追われる旅はもう終わりだ。ここでは誰にも邪魔させない」
と、心から歓迎してくれた。
一行は数日間、
久しぶりに心身を休めることができた。
そしてある昼下がり。
離宮の庭に、
国王夫妻の子どもたちが遊びにやって来た。
シャーロット王女とローワン王子だ。
「ねぇねぇ!デクラン兄ちゃん、剣ごっこしよう!」
「カーティスさん、肩車してー!」
子どもたちは一瞬で“旅の英雄たち”に懐いた。
デクランは木の枝の剣を渡され、
ローワンと大はしゃぎの模擬戦。
普段は真面目なデクランだが、
本気で笑いながら遊んでいる。
カーティスは
お姫様の相手で大忙し。
子どもを抱えながら庭を走り回り、
汗だくである。
ジョサイアとレオナードは
ベンチでニコニコとと見守っていたが
結局子どもたちに引っ張り出され、
鬼ごっこに参加させられるハメに。
庭は笑い声で満ちていた。
ファティマはその光景を
少し離れて眺めていた。
デクランが必死に剣ごっこに付き合い、
カーティスがシャーロットにしがみつかれて
転びそうになっている。
──こんな、優しくて賑やかな未来。
(……いいなぁ)
(もしも私にも、
こんな家族があったら——)
胸の奥が、ほんの少し切なくなる。
すると横にいたマリナが、
ふっと意味深な笑みを浮かべた。



