辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

レオナード、マリナ、ジョサイアは、
王侯貴族たちのフォーマルなテーブルマナーに
完全に圧倒されていた。

元海賊のジョサイアは
魚料理用のフォークと
肉料理用のフォークの違いが分からない。
「……こっちでいい、よな?おいレオナード、どう思う?」
「俺に聞くな、そんなもん知らん!」

デクランの幼馴染であるカーティスは
一応のマナーは心得ていて、
このテーブルでは一番落ち着いていた。
しかしマリナの様子が気になって仕方ない。

スープ皿を上手く扱えず、
うっかりスプーンを落としたマリナ。
「わっ!」

カーティスが瞬時に反応し、
落ちるスプーンを片手でキャッチ。
(周囲が驚きでざわめく)

「す、すごい……!」
「いちいち難しいことを考えるな。マリナはただ笑って食べてればいいんだよ。」
「う、うん……ありがとう」

そんな二人のやり取りを見守るレオナードは
ニヤニヤと顔が緩み、
ジョサイアは「若いねぇ……」と苦笑。 

こちらの恋模様も
ゆっくりと動きがあるようだ。

ヴァリニア王国の晩餐会は賑やかで楽しく、
ファティマは久しぶりに心から笑えた。

隣に座るデクランもまた、
彼女の笑顔に安心し、
その横顔を優しく見つめる。

ふと、エレオノール王妃が
意味深な笑みで二人を見て囁く。

「まぁ、いい並びねぇ。お二人はもうすっかり息が合っているみたい。」

ファティマとデクラン(同時に真っ赤)
「「……は、はい?」」

ハーウッド卿がグラスを持ち上げ、
冗談めかして呟く。
「ドラゴニアより厄介な敵は、王妃陛下の観察眼ですね。」