「転校生を紹介するわね。入っていらっしゃい!」
「嘘……MEN-MEの周東究流じゃない?」
「きゃぁぁぁ本物ぉ!」
オネエ言葉を使うごっつい男性教諭に呼ばれて教室に入る。
入った瞬間、甘ったるい視線が集まり、黄色い声が上がる。
やれやれ……。
こうなることは当然の結果とはいえ、見飽きた反応で正直退屈だ。
メンズファッション誌「MEN-ME」の読者モデルで、前いた学校では1年にしてサッカー部のエース。将来、Jリーガーでもアイドルや俳優でも俺なら必ず大成する。生まれてこの方、目の前に障害物など現れず平坦でつまらない道を歩んできた。
「そうね……じゃあ、いちばん右奥の伊予さんの隣に座ってちょうーだい!」
「ええ、わかりました」
いちばん奥は、っと。
おっと、ちょっと可愛いな。
俺の彼女候補にしてやってもいいレベルだ。
たしか教師に伊予って呼ばれていたかな。なかなかいい線いってる。
まあでも所詮、一般人。
将来、大物になる俺からしたら、せいぜい学生生活のちょっとした思い出作りに貢献してもらうだけだしな。
「よろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします!」



