「にしても、モナとボスの息が合いすぎて過ぎて怖いわ。ナンバー8もそう思わない?」
それはそうかもしれない。
鳴雄サマの描いた相手への罰の意図にすぐに気づいた彼女と違って、美柑はただ見ているだけだった。
――でも。
「タダのログボ、財布のHP削る、って意味知っていますか?」
「……なにそれ?」
「鳴雄サマが、今日、源さんに話した内容です」
怪訝そうな表情を浮かべる源もなか。私は構わず話を続けた。
「ゲームのログインボーナスで釣って、後で財布の体力を削りにくる……つまり、タダほど高いものはないという意味の鳴雄サマ独特の新語なんです。他にも……」
イージーモードもとりまセーブ民=石橋を叩いて渡る。
石溶けガチャは、どスルー案件=触らぬ神に祟りなし。
「それがいったい何だというの?」
「つまり我が覇道を一番理解しているのは8号ということなのだよ」
「ボス……」
今のは彼女も理解できたみたい。
誰よりも鳴雄サマを長く観察してきた私は、鳴雄サマの波長に合わせるのではない。どんな破天荒な鳴雄サマの行動や言動でも理解してあげるのが信者の役割だと思っている。
「では、さらばだ!」
「ボス⁉ モナもご一緒に……」
「そういうところですよ。源さん」
「え……」
急に方向転換して走り去る鳴雄サマ。
追いかけようとする源もなかを呼び止めた。
彼を、鳴雄サマを縛り付けることは誰にもできない。
だからこそ私たちは彼の下僕なのだから……。



