――って、セーフ。
大回りして楠のところに到着すると、まだ仔猫は木の上にいて、鳴雄サマも木の下にいた。
あれ~~~。
あれあれ~~~~っ。
なんか楠木が元気になってない?
木のそばで鳴雄サマが、謎の祈りをしていて、木の根っこのところには担任の先生から貰った小瓶が空になって数本落ちていた。
「そろそろいいか――。下僕299号よ、うまくやるのだ」
鳴雄サマの声に応えたように楠木の枝葉が揺れ、その反動で仔猫が足を踏み外した――。だけど、他の枝がうまくクッションになって、仔猫は弾んだ後、弧を描いて鳴雄サマの両腕の中にすぽりと収まった。
「怪我はないか? ――下僕300号」
「みゃ~~~~っ」
――あっ。
なんかすごいの見てる気がする。
仔猫が腕にすりすりしていてそれを優しく撫でる鳴雄サマ。絵画の中の光景を見ているようで思わず目を奪われた。
やっぱりすごいな。鳴雄サマって、下僕が増えていくのがわかる気がする。
「ときに下僕8号よ」
「――はっ、はひっ!」
なんだか鳴雄サマが神々しくて声が上擦ってしまった。いつもより自分の胸の鼓動が速くなっているの感じながら、鳴雄サマの次の言葉を待つ。
「この生き物が猫で相違ないな?」
「あうっ――、ふふっ、そうですよ。鳴雄サマ☆」
ちょっとずっこけちゃった。
でも、鳴雄サマらしくて、素敵……。



