「ごめん……私、今日はパスで」
「うん、わかった。雛子じゃまた明日」
今日も雛子は、鳴雄サマを尾行する通称「鳴雄サマをウォッチングする会」を欠席した。元々美柑一人で始めたし、特に問題ないのだが、彼女の大好物である餅や団子で釣って釣れないのがちょっと心配。最近、放課後に何をしているのかちょっと気になる。
鳴雄サマはすぐに下校したが、放課後最初に向かう先はだいたい訳有商店街。急いで追わなくてもそこで発見できる。
そのため、担任のオネエ先生に頼まれた書類運びのお手伝いをした後にゆっくり向かった。
その途中。
「――キャッ」
「おっと、すまんな8号。先を急いでいて失礼した」
「え――、あっ、はい……」
「では……」
道の曲がり角であやうく鳴雄サマとぶつかりそうになった。
商店街の正面ではなく近道を選んで、脇道を右に左に曲がりながら歩いていたのでびっくりした。それと同時に鳴雄サマがお姫様抱っこしている源もなかのことも視界に入った。
彼女、気を失っていた?
なぜ鳴雄サマがお姫様抱っこしてたの。
どこに行くんだろう?
頭の中が「?」マークだらけになってショートしそう。
とにかく鳴雄サマを見失わないように日頃、尾行で鍛えた脚力を使って、ダッシュで鳴雄サマと源もなかの後を追うことにした。



