登校初日から孤立してしまった彼女だが、そんなことお構いなく鳴雄サマへの全力奉仕が周囲で物議を醸している。
ちなみに親友、桜餅雛子も初日の休み時間に私たち二人のところにやってきた彼女が、「ナンバー8の隣も下僕のようね。でも8ほどの覇気を纏っていないから、番号を覚えるまでもない」と宣戦布告してきたので、以来、親友は怒り狂っている。
訳有高校はわりと平和な学校だけど、まったく不良がいない訳ではない。
昨日の放課後、片目の眼帯や包帯の本当の意味を知らないまま、2年の不良女子グループに、何だか生意気だと人目のつかない場所へ連れて行かれた。
雛子には止められたけど、何か起きたら同じ鳴雄サマの下僕。すぐ助けを呼びに行けるようにこっそり後を尾けた。
すると。
「――ううっ、アタイらが悪かった」
「ふん、下位級の魔物じゃ何体いても、この〝剣士モナ〟の相手にもならないわね」
「なんか色々怖い……もう二度とアンタにちょっかい出さないから」
「失せなさい。私の剣の錆とならないうちに」
「ひぃ~~~っ!」
あっと言う間に不良女子3人を護身用の伸びる警棒で、バシバシとやったらしく、令和の不良では、脳内が異世界の剣士に浸っている彼女には太刀打ちできなかったみたい。悲鳴を上げて、近くの物置の裏に隠れていた私と雛子の横を通り過ぎて、走って逃げていった。
これを見た雛子は「あらゆる意味で最強すぎる……美柑、一緒に負けないように頑張ろう」と言われた。



