「あのー、何が『勝ち』なんですか?」
「そんなの決まっているじゃない」
レジ台をピピっと操作しながら、片目眼帯の少女はこちらを見ることなく独り言のようにつぶやいた。
「どちらがあの方のナンバー1の下僕であるか、よ」
「え、でもそれって、鳴雄サマが下僕何号って、ただ順番につけてるだけじゃ……」
「1桁台だからってエラそうにしないでナンバー8⁉」
「そんな偉ぶってなんか……」
「あ~なぜこの〝みなもともなか〟が最初にあの方と出会わなかったのかしら」
ん~、会話がずれてる。
それと……。
「みなもともなか」と言えば、同じクラスに入学初日から欠席していて、一度もクラスに顔を出していない「源もなか」って名前の子がいるけど。もしかして……。
「もしかして、訳有高の1年なんじゃ?」
「だったら何? 高校なんて、もなには不要な場所よ」
「いえ、そうじゃなく」
知らなさそうなので、教えてあげた。
同じクラス……1-Dに鳴雄サマがいることを。



