「ふぅ~~疲れました! 伊予さんは大丈夫ですか?」
「はい、ええまあ……」
普段から鳴雄サマの尾行をしていると、いろいろとハードなので、いつの間に体力がついちゃったかも。――全然疲れていない。
軽食を頼むと、先にストロー付きのオレンジジュースがきたので弟君がゴクゴクとすごい勢いで飲み始めた。相当喉が渇いていたに違いない。
「チュー……それにしても全然兄が見つからないですね」
「鳴雄サマでしたら、先ほどから後ろの方にいますよ?」
「ブゥゥゥっ⁉ っちょっ、何でそれを教えてくれないんですか⁉」
「えっ、だってお腹空いていそうだったから」
ちょっと汚い。
飲んだオレンジジュースがグラスの中に少し戻ったのを見てしまった……。
ちなみに美柑には鳴雄サマ追跡レーダーというのが備わっていて半径5m以内に鳴雄サマが近づいたら頭の中でキュピーン☆と音が鳴る。
「兄さまッ⁉」
「――んむ?」
このファミレスは鳴雄サマの行きつけ。
鳴雄サマの好物、アップルパイの品ぞろえが5種類もあって、美柑はオレンジピールが入っているシナモンアップルパイが好き。鳴雄サマはよくカスタード入りのアップルパイを召し上がっている。
そのカスタード入りアップルパイを頬張りながら、テーブル席の隣に立つ弟と対面することになった。



