「あっ、ちょっとごめんなさい」
なんかカッコいい。
背を向け、耳に付けたヘッドセットで誰かと会話をしはじめた。
それにしても、すごく美少年。
親友、雛子とか割とショタ系のアニメが好きなので、食い付くかもしれない。
「昨日の河川敷のところで、兄らしき人物が目撃されたそうです」
昨日、鳴雄サマが花火祭りで河川敷にいたことも知ってるんだ。
それにしても、鳴雄サマ。こんな朝早くに出かけてしまってるなんて、いったい何時に家から出たんだろう……。
「どうします? ボクはこれから兄を追いますが?」
「私も行きます!」
もし一緒に行けば鳴雄サマの秘密が明らかになる。
弟を名乗る人物。
ボロボロな隠れ家的なアパート。
そして、いつもやっている謎の布教活動。
もし弟さんなら、会話の中で色々と秘密が明らかになるはずだ。ついていかないという手はない……。
移動は徒歩。
金持ちっぽいから車とか待たせているのかと思ったけど違うみたい。
早歩きで河川敷まで向かったので少し息が上がってしまった。



