ナルシストと恋は de キュン!






「あれ……鳴雄サマは?」
「たぶん、納豆の残りを返しに行ったんだと思う」

 また塀をよじ登って行ったそうなので、間違いなさそう。

「待たせたな」

 花火帰りの人が多いので、大丈夫だと思うが、先ほどの件もあるので、雛子、美柑の順で家まで送ってくれるとのことだった。

「鳴雄サマ」
「どうした8号」

 雛子の家に寄った後、夜道を鳴雄サマとふたり並んで歩く。

 以前から聞きたかったこと。

 いったいどこに住んでいるのか?

 何回尾行しても、途中で見失ってしまってどこに住んでいるのか、いまだに分からずじまい。それを自分ん家のマンション前で勇気を出して聞いてみた。

「ここだが?」
「ふぇ……」

 えっ、私の住んでいるマンションのすぐ隣。
 私が小さい頃からお化け屋敷だって、噂されている古びたアパート。

 建物には、びっしりと蔦が張っていて昔、腰の曲がったお婆ちゃんが出てきたのを1回目撃しただけで、他の住人を見たことがない。