それにしても、先生の言う通りそんなものいったい何に使うのだろう?
「これは校庭にある楠を我が下僕にするための道具」
へー。動物だけじゃなく植物まで下僕にできるんだ……。鳴雄サマってやっぱり器の大きさが桁違い。
ちなみに校庭にある楠は訳有高校ができる前からある樹齢300年の立派な木。だけど去年の台風被害で、元気がなくて倒れてしまう前に伐採してしまおうという話もあると聞いたことがある。
「鳴チャソ~~今夜はぁぁ、ヒマかしらん?」
「さて、そろそろ猫の下僕探しに行こうか?」
「ああ~ん! イケず。でも、そんな冷たい鳴チャソも、ス・キ♡」
ごつい身体をクネクネさせている先生に目もくれず職員室を後にする鳴雄サマ。先生に頭を下げて置いて行かれないように小走りで後を追いかけた。
「アレか?」
「いえ、あの子はハトです」
「なら、アレだな?」
「え……どれですか?」
「ほら、あの壁のそばで、ヒラヒラしているの」
「いえいえ、あれはチョウチョですよ」
(カッコいい……)
「にゃっ!」
「あっ鳴雄サマ。この子です⁉」
鳴雄サマ、猫ちゃんと鳥どころか、チョウチョと区別がつかないなんて……そんなミステリアスなところも素敵……。
なんて思って鳴雄サマの横顔に見とれていたら例の仔猫の尻尾を間違って踏んじゃった。
これがホントの……言うのやめとこ



