どういうこと?
「下僕288号の瞳に映る我を撮っているのだ!」
ああっそういうこと。
たしかに私の顔を中心に鳴雄が私の顔のそばにスマホをかざして私の瞳を鏡代わりにして、花火で光った瞬間にカシャっとスマホで撮影していた。
こんなの、わかるかーい!
ふぅ、ドキドキして損した。
てっきり、コイツが私の唇に……。そんなわけないのに。
ん?
「美柑……」
すこし離れたところに突っ立っている美柑。
私が声をかけた途端、後ろへ振り返って小走りで走り去る。
「どうしたのだ? 下僕8号は」
「待って」
――あれ。
おかしいな。
なんで私、鳴雄の袖なんて掴まえてるんだろ?
「どうした288号」
「――あっ」
鳴雄が振り返る。
その動きにつられて私の手も揺れる。
花火の光が彼の横顔を照らし、同時に私の表情も照らしてしまったのに気づいて先ほどくじで手に入れた狐のお面を被る。
口を開くも、言葉が出てこない。
美柑が誤解していることも。
鳴雄が自分自身だけを見ていることも。
そして私が今、とんでもなくバカなことをしでかしていることも知っている……。
胸の中が、打ち上げ花火の音よりもうるさかった。



