美柑の頬が上気してほんのり桃色になっている。
私も人のことを言えた状態じゃないかもしれないが、自分のことはとりあえず放っておく。
これは千載一遇の機会。
美柑と鳴雄をふたりきりにするチャンス。
さて、こうなってくると問題は……。
「あっ、MEN-MEの売れっ子読者モデル、周東究流だー」
「お、おい美柑ちゃんのお友達?」
「うわー超かっこいいー」
どうせ私の名前なんて覚えてないと思っていたわ。
そちらも私のことを邪魔者だと思っているでしょうが、それはお互い様だったりする。
下手な芝居で周東の名を呼ぶと周囲の女の子達がさっそく反応した。
「本物じゃない?」
「嘘――私 ファンなんだけど?」
「うわぁ~、美柑ちゃん、また学校でぇーーーーっ⁉」
「本物! 待ってぇぇーっ!」
よし、これで邪魔者を排除できた。
一瞬にして道行く女の子たちに取り囲まれた周東は、光るオモチャの剣を持ったまま、ダッシュで祭り会場の出口へと走り去っていき、ファンと見られる女の子達もそれに続いた。
適当なところで、私も消えたら、若いお二人さんが、イヒヒっ(16歳)……。
「もう屋台の方はいいんですか?」
「ふむ、実は花火の時に手伝ってもらいたいことがあってな」
なんだろう?
それって、私も残ってなきゃダメなヤツ?
それにどうしたんだろ?
胸の中が、すごく変な感じがする。
美柑と鳴雄は、二人立っているだけで絵になる。
まだ花火も上がっていないのにまぶしく感じる気がする。



