「これがいいな」
私が選んだのは、どこにでもあるくじ引きで景品を当てる露店。
A賞やB賞あたりは薄汚れたビニールに包まれたゲーム本体やモデルガンが、上の方に鎮座しているが、当たっている人を見たことがない。そんなものよりF賞……いわゆるハズレのところにかわいいお面がいくつかあったので、この露店を選んだ。
「うーん残念。お嬢さんたち。手前のところから選んでね」
いや、当たらないの知ってるし。
たばこの煙がする店の奥からおじさんが笑顔を向けてきたが、さっさと選んで店を後にした。
「よし――っ!」
「お兄ちゃん、凄いねー。はいこれどうぞ!」
「え、これ……」
ちょっと離れたところで周東がダーツで風船を割る露店で、5本中4本風船に当てて、光る剣をもらっていた。高校生が光るオモチャの剣って、持っているだけで面白すぎ。
「雛子、そろそろ……」
「うん、そだね」
もうすぐ30分経つ頃。
辺りもすっかり暗くなっていて、夜空は雲一つない快晴。まさに打ち上げ花火日和といえる。
鳴雄が手伝っていた屋台まで戻ると、他の店員が補充されたらしく数人増えた屋台の前で鳴雄が腕組みして私達を待っていた。



