「お前も来るのか? 下僕見習い。まあよかろう」
「フーッフーッフーッ……それはどうも」
だんだん周東のことが、わかるようになってきて面白い。
唇を血が出るんじゃないかと心配になるぐらい噛みしめて、息を荒げながら、引きつった笑顔を鳴雄に向けている。
次の日、親からお小遣いを前借り+お年玉を持ち寄って、美柑と商店街にある和雑貨店へ向かった。
巾着や和柄のがま口財布、扇子から草履まで色んなものが揃っている。
奥の方には浴衣コーナーがあって、試着もOK。そのため、何着か試着して気に入ったものを美柑とそれぞれ決めて購入した。私は桃色。美柑はやはりというか山吹色の浴衣を選んだ。
まあ、ショッピングモールとかにある衣料店の方が、格安なのだが、今まで親戚のお姉ちゃん達からのお下がりしか浴衣を着たことがない。やはり初めて自分で買うなら、お店の人からアドバイスをもらって、かつ品数か多いところでじっくり選びたかった。
土曜日の夜、近くの川沿いで開かれる花火祭りは、規模が大きく他の街からもたくさん人が来ることで有名。場所取りNGなので、座ることはできない。そのため、あまり早い時間に行くと、疲れてしまうが、今回は鳴雄が手伝っている出店に顔を出すのがメインの目的。
「ねえ、あの人、めっちゃカッコよくない?」
「嘘、こっち見た」
待ち合わせ場所で騒がれているのは、周東究流。どうしても一緒に行きたいと食い下がってきたので、やむなくOKした。まあ、私の目が光っている限り、周東には何もさせないから問題ない。



